おたま

clementia2009-03-11



「おたま」「玉杓子」「金がい」「杓」などなど呼び名はさまざまありますが、家庭的には「おたま」職人的には「金がい(かながい)」が一般的でしょうか。


よく職人は道具を大切にするといわれます。


板前の場合、包丁には特に「こだわり」のあることを取り上げられますが、私にとっては道具は全部道具、大切に使うのは使用頻度が高いので壊れやすいものを雑に使っていてはコストがかかってしょうがないから・・・なんですね。使い勝手のいい道具を見極め、納得のいく機能と値段には金額を惜しまないのが長く使うコツです。そのほうが仕事が速いし、よけいな出費に悩まされない、単純なことです。「こだわり」なんかじゃ私にはありません。


写真のおたまは、柄の部分が長い間に少しづつ焦げてしまって、今回、柄だけを取り替えたものです。柄を取り替えたのが10年ぶりくらい、本体はいつ買ったか憶えていないほど昔から使っていますが、100%問題なく使えます。


これ一杯が150cc。(昔は七勺といわれましたが) ずーーーと同じサイズを使っていると、このおたまにどのくらいの調味料分量をすくうとどんな味の濃さになるかが身体で理解できるようになります。


手になじむというのはこういうことを言うんでしょうか。そんなことさえ改めて考えたことがないほど身近にある道具です。