器 いったん終了


二週間近くにわたって取り上げてきた器たち、もう一度眺めてみたら、一点を除いてすべて私の代になってから購入したものばかりでした。つまりこの15-20年の間、もっと言えば新築後の12年の間に集めた器がほとんどでした。


「器に使う資金がない」
「貧乏料理屋にはいい器は無理」


などといいながら、それなりに贅沢なことをしていたのでした。


もちろん祖父や父の時代の器も使って入るのですが、実際にはごく少数、時代が違うのですね。つまり時代に合わないというよりは父の時代のようにとりあえず料理屋として続けていればお客様がやってきた時代ではないのです。「器は割れないほうが正しい」「安くて見栄えがよければいい」という昭和20〜50年代の感覚を引きずっていたら、店はすでに閉店していたのでしょうね。時代は間違いなく激しく動いています。