器 まだまだ

clementia2008-09-16



染付けは磁器に呉須や赤絵で色つけをした明代に発達した焼き物であることは前回、前々回で書きました。


この時代の染付けは生地に鉄分などの不純物が混じったり、気泡による虫喰いといわれるへこみが出来たりしてその時代に追及された純白の生地はなかなかできませんでした。たとえばこの瓔珞のように乳白色の美しい白が生まれるまでは長い時間が必要であったのです。しかしながらその不完全さが味わいとして見立てられる美意識もあって、後の清代の染付け以上に高い価値を与えられたりします。


写真は骨董ではなく新作なのですが、あえて古い染付け風に仕立てられた器です。生地が荒く鉄分の斑点、虫喰いがそれなりの味わいに感じられるのです。