錫器




お湯割りに使ういい器が見つからなくて、折に触れては探していました。


ちょっと厚手のグラスをいままでのように使ったものか?最近はやりの土物、たとえば備前のようなざっくりした陶器を使ったものか?


迷っているときに、店の標準焼酎、本坊酒造さんの「錫釜」を取り扱っていらっしゃる酒屋さんの棚に、「錫釜」と刻印がある錫製のいい感じの器が置いてありました。


「この錫器 いいですねぇ。名前を抜いて同じようなものを造ってもらえるんでしょうか?」と無理を言うと、


「問い合わせてみますね。何個ほど?」


・・・というお話も忘れて頃に届きました。


代引きの金額を聞いて「えっ!」とちょっと驚いたのですが、考えてみれば錫ですもんねぇ。ワイングラス4-5個分の値段、10個の金額が輪島塗のちょっと手の込んだやつと同じくらい・・・とはいえ、ガラスのようにパキパキ割れることもないわけですから、長い目で見ればいい買い物です。使っている陶器磁器やガラス器の値段だってこの錫器以上のものをいくらでも使っているのに、飲み物用と思うだけで貧乏ったらしい頭になってしまうのがお恥ずかしい。


お湯割り用に注文したように、ほんのり暖かい温度が手に感じられるだけでなく、これから夏に向けてロックグラスとしてもいいかもしれません。というよりむしろ錫の特性を考えるとひんやり冷たいものの方がより際立って美味しく感じられるし、水滴が周りにつく様子が美しく映えてくれそうな気がします。また錫のどっしりした重さが堪えられないんですよねぇ。