器さらにさらに

一見モダンな文様に見えますが、瓔珞(ようらく)といって古くから伝わる様式です。 瓔珞はもともとインドの上流階級の人々が身につけたもので、珠玉や貴金属を編んで頭や首や胸にかける装身具なのだそうで、確かにこんなデザインの首飾りがありますね。中国…

器さらに

黄瀬戸を使うことは料理屋にとってひとつのハードルを越えることのように思っていました。黄瀬戸がコースの中で現れるのは料理屋の格をひとつ上げてくれるのです。 焼いてくださったのは林和一さん。 アトリエにうかがってイメージをお伝えするだけで、店の…

お褒めの言葉

昨日の続き。 以前にちょっと書いたことがあった話題。お得意様がお連れくださったお客様の素性を知ったのは料理も後半に入ってからでした。ちょっとでも骨董に興味のある方でしたら皆さんその存在を知る有名人(私もお名前は存じ上げていました)と、日本で…

器使い

器に目が行き届き、素養もあるという料理人は実はそれほど多くはありません。私自身素養という点ではかなりお寒いひとりです。 魯山人が料理屋の器使いに革新的であったのは、常に膨大な骨董にかこまれ審美眼を養っていたからです。審美眼を磨くための最上の…

和一さん新作

昨年末に個展で注文してあった林和一さんの器が半年目に出来上がってきました。 「赤絵雲龍文平鉢」 使い勝手のいい大きさで何にでも対応できそうです。これからきっと出番が多くなる器になるはずです。 一緒に写っているのはプレゼントでくださった黒織部。…

お疲れ様

いつから使い始めたのか全く記憶にないくらい長く使っていた鍋に穴が開いてお役御免になりました。 鍋の取っ手がとれ、ふちが曲がり、ふちの一部には穴が開いてしまっても「捨て湯」を沸かすために10数年活躍していた鍋です。写真のように少々汚れたままでも…

和一さん 続き

昨日大きな声で「お奨め!」と申し上げた林和一さんの器、店で焼いていただいたのは写真のようなもの。染付け、黄瀬戸、織部、黒織部、赤絵など。 今回注文したのは土もの、料理が盛映えしそうな器です。出来上がりは年が明けてから。楽しみです。 期間は1…

林和一個展

私が最も信頼する作家、林和一(はやしわいち)さんの個展が開かれています。店には本業の陶芸、版画だけでなく、自慢にしている襖絵も描いていただいています。この地で個展が開かれるは4〜5年ぶり。 温厚で飄々としたお人柄、常に進化し続ける作風、大好…

夏の新作

夏用に銀の器を購入しました。 お造りなんぞ盛ってみると涼しげな感じがします。 舞阪の一味鯛 同じく舞阪の太刀魚昆布〆焼き霜造り あしらいには加賀太胡瓜 花丸胡瓜 岡ひじき お出しする直前に霧吹きで露をあしらったりしてみましょうか。

消耗品

料理屋で使う器というのは基本的に消耗品であるのですが、中でもグラスは陶器や漆器と違ってきわめて消耗率の高い器です。 ですから、グラスに奢っているかどうかで店の格まで分かってしまうこともあります。小さな居酒屋さんではビール会社の試供品であるグ…

輪島塗

輪島塗はとても高価な器ですが、修理がきくメリットがあります。写真のお椀は私が物心ついたころには店にあったはずなのですが、私が店に入ってからは全く見ることがない器でした。 で、古くなってくすんでしまった表面を磨いてもらう作業に出すことにしまし…

お宝

店を建て替えた10年前、取り壊すために倉庫に山盛りになったゴミを処理していました。 「一年その品物を使わなかったらそれはゴミ、捨てなさい」とは聞くのですが、根が貧乏性ですからゴミはたまるばかりです。新築開店のためのゴミ処理ですから私にしては…

本膳

お寺のあとを継いでいる同級生から電話がありました。 「倉庫を取り壊すので掃除をしたら器がいくつか出てきてさぁ、○○ちゃんもらってくれない」 ありがたく頂戴しようと車で伺うと、本膳一揃えが20組ほども山積みになっていました。さすがは古くからのお寺…

日本酒グラス

冷酒のグラスをずっと探していました。 徳利は作家さんに作っていただいていましたが、グラスとなると消耗品です。 日本酒すきが多い私ン処では、お一人が3〜4種類の日本酒を召し上がるのはざら、多い方になると8〜10種類のお酒を少量づつ召し上がって…

ご飯茶碗

地元の陶芸作家 村木律夫さんに頼んでいたご飯茶碗が出来上がってきました。 すべてのお客様に頻繁に使う器ですので、押し付けがましくなく、使い勝手がよく、飽きない器・・・・とお願いして最初に試作で仕上がったのが右側、灰釉飯茶碗です。 もう気持ち底…

土瓶

新作の土瓶が出来上がってきました。 今回も村木律夫さんにお願いをして焼いていただいたものです。これで村木さんの土瓶は三回目です。 これまで使っていた土瓶が欠けてきたり割れたりしたものですから、その修理もお願いしました。 右後が一部金接ぎをして…

完成〜落ち鮎

以前に試作をお願いしたことをお知らせしたご飯炊き専用釜がちょっと前に出来上がってきました。 アートノルネさんを通じて信楽の作家中村文夫さんに、「蒸気穴をこの位置に」「こんな大きさで」「中蓋をこの位の厚さで」などなど様々のわがままを言って作っ…

ランチのポット

急須は村木律夫さんの作っていただいたものしかないので、ランチでも使っていました。 「1000円前後のランチに作家の器を使うなんてバッカじゃないの。割れたらどうすんの」とお得意様にいわれて、探してみてもいいのが見つかりません。 もともと急須を…

お椀

器屋さんがやってくると、こんな風にして新作がずらっと並べられます。 こんな豪華な蓋もあります。 「えーーーと、それじゃあ今回はこれとこれとこれを30客づつ頂戴」 なんて気軽に注文できればいいのですが、請求書の金額はおそらく500万円以上。 実際には…

かまど

長谷製陶さんの伊賀焼き「かまどさん」は、今ではデパートや通販でも有名になってしまいましたが、私ン処では発売当初から使っています。この優れものの飯炊き釜のおかげでご飯のバリエーションがずいぶん増えました。 唯一の欠点は伊賀焼きの宿命、割れやす…

ショック

ショックです。 大事に使わせていただいているこれらの酒器を製作してくださった、ガラス作家金子正宏さんが、クモ膜下出血で倒れられました。 作家ぜんとしていない気さくな人柄が素敵な方で、修理をお願いしなくてはいけない物もあったのに・・・・お早い…

林和一さん

林和一さんの個展が、近所のアートギャラリー「アートノルネ」さんで開かれています。 何度もこのサイトでは紹介していますが、版画家にして陶芸家、私が最も信頼する大好きな作家さんです。 大きなものは小萩の間の襖絵。四季にわたる版画、器は100枚以…

器 器 器

器屋さんが来ました。 器を購入するのは、作家さんへの注文、お付き合いのあるギャラリー、東京や大阪、京都の器屋さん、定期的に訪れる3―4件の器屋からです。 今回の器屋はもう十数年のお付き合いで、一番買う率が高い・・・・つまりいい物を持っている器…

入荷〜魚上手

先日の中村文夫さんの個展で注文した器が仕上がってきました。 土鍋は大中小が揃い、耳つきの筒向風の器も25個、一人用鍋の試作、いただいた盃などなど 盃はさっそくお得意様に使っていただきました。 今美味しくなってきているのが「三河産柳鰈」 今年は入…

漆の薦め

お客様の中にはよくあるのですが、お椀を召し上がりながら 「家の倉庫(お蔵)の奥のほうにも確か塗りものがあるんだよなぁ」とおっしゃいます。 おじい様の代から続くお宅、代々受け継がれているお宅であれば、お蔵や納戸の奥のほうにしまいこまれた輪島塗…

土鍋

お世話になっているギャラリーで中村文夫さんという信楽の作家さんの個展をやっています。 土鍋などを中心に耐熱の器の数々が展示されていて、数点をいただいてきました。 オーブンや蒸し器、直火に対応できる器というのは造形的な美しさだけでなく、機能的…

お椀

お椀が半年かかって10客だけ出来あがってきました。 「尾長鳥」の銘がついています。 少々大ぶりの煮物椀として使います。 たった10客でも私ン処としてはキツイ思いをして手に入れる品物です。 器の中で一番高価なのがお椀なのかもしれません。 このお椀と作…

納戸を整理すると、店新築後一度も使わなかった器がごっそりでてきました。 8〜10年前はかなり活躍していた器なのですが、残念ながら今は使えません。 使う器の傾向が全く変ってしまったらです。 誤解を恐れず言ってしまえば、「雑器」→「作家物」 さらに…

急須さがし

今使ってる村木律夫さん作の白土急須はとても気に入っているのですが、五個のうち三個までが少しいたんできています。 もう一度、すこし硬めに焼いていただこうか、新しく探そうか・・・・と出入りの器屋に聞いたり、気をつけて目を配ったりしていましたが、…

輪島塗り

昔は、塗り物といえば輪島しか売りにこなかったので、お椀も輪島、お膳も輪島、日々に使うお弁当箱も何の不思議も無く輪島でありました。 私がこの商売に入った頃にはプラスティック、ベークライトなどなど安い素材がたくさん出てきていて、既に輪島は高級品…