陶芸作家展2010


多治見で連休中に行われている「陶芸作家展2010」へ出かけようと目論んだのですが、交通情報を見ると連日の大渋滞。連れ合いは5kmの渋滞でも許せない人なので、40km渋滞で出かけるわけもなく・・・・「そうだJRで行けばいいじゃん」と久しぶりにJRで多治見へ。東京〜大阪間で夫婦いっしょならほとんど車を使うことが当たり前になっているので電車を使うときの距離感や金銭感がいまひとつ・・・と思いつつまずは新幹線に乗りました。


名古屋から多治見はビルが次第に少なくなり、住宅地が増え、畑が増え、緑の山々が増えていきしているうちに30分弱で到着。


きっとシャトルバスが次々と・・・と思っていたら、大きな催しではないのか、一時間に一本しかバスがなく、仕方なくタクシーで会場であるセラミックパーク MINOへ。この会場、たっぷりと広い敷地を使ったステキな美術館展示場です。


学校の体育館の五倍はあろうかというひろい展示場には美濃周辺の陶芸作家100人くらいの作品が並べられ、その場で購入できるようになっています。デパートや器屋さんでしか器を見ない素人さんにとってはかなりの安い値段表示、我々が見ても出入りの器屋の品物が高く感じられてしまいます。とはいえ、鈴木蔵(おさむ)さんの茶碗などは400万円なんていうのもあって、作品のレベルはまったく様々です。私の目的は普段なかなか一同に出会うことがない作家さんが集まるメリット、一人でもお付き合いしたい作家さんに出会えればラッキーです。


気に入った作家さんが2-3人見つかり、そのうちには会場にいらっしゃる方もいて名刺を交換して後日窯に伺う約束を取り付けてきました。


行きのタクシーで運転手さんにこの地の名物うまいものを伺うと「うなぎ!」との即答があって、お奨めの店をいくつか聞いておきました。帰りのタクシーでも同じことを聞いて二人が共通する名店で昼食を・・・と走らせたのですが、時間は二時をほんのちょっと過ぎてしまっていて、二店舗は休憩時間。「このそばにもう一つありますから・・・」と続いて案内されたのは二人の運転手さんのお奨め店には入っていなかったのですが、とりあえずこの時間でも食事ができることが肝心です。


入店OKとなったその店はいかにも昭和 田舎町の雰囲気を残した鰻屋さんでした。


入り口のすぐ脇の座敷では休憩に入ろうとしていたのか、70年配のご主人らしき白衣のご老人がTVを見ています。なんかいやぁぁな予感。


さらに通された小あがりのお座敷は掃除が行き届いているとはいっても、いかにも田舎の床の間に置いてありそうな年季の入った雑多な置物にテーブルは場末の食堂にありそうな表面がプラスティックのようなヤツ、さらにメニューのうな丼の写真はコゲコゲの鰻が乗っているフラッシュバリバリの素人写真と素人ワープロ。値段の安さもここでは不安を高めます。


お出かけの時にはお出かけの目的そのものよりも「何を食べるか」の下調べを綿密にする私にはめずらしく、あわてて出かけてしまった報いはツイッターで「多治見情報を是非」では解決できませんでした。夫婦が目を合わせれば「今日は失敗だね」「しかたないね」の会話が言葉を発しなくてもできます。せめて1時間とか待たずにできれば(名店であれば鰻に一時間はよい兆候ですが)と願いつつ・・・



出てきた鰻丼の蓋をあけると・・・・写真よりもずっと素晴らしい仕上がりと香り。まずは肝吸・・・おお、ちゃんとしてる!次に鰻・・・もっとちゃんとしてる。


あきらめ感が強かった分喜びが増します。決して「抜群」「どなたにもお奨め」ではないのですが、「充分に食べられる」以上のできです。


侮れない多治見の鰻事情。


食べるものに満足できればお出かけは99%成功です。