器 もうじきおしまい

clementia2008-09-20



器話も二週間を超えそろそろ終盤といったところです。


日本料理店で提供されるお酒が瓶ビールと熱燗だけだったころ、必要な器は徳利とコップの二種類で充分でした。冷酒がラインアップに加わっても冷酒用のガラスの徳利が必要になったくらい。ところがいつのころだったか、お客様に出す冷酒が二種類三種類と増え、ワインも上質なものをお出しできるようになって徳利、グラスの種類が異常に増えてきました。


冷酒用の徳利といっても一般に小売店で入手できるものに満足できる品物はほとんどありませんでした。ましてやそれが何種類にもおよべばどの冷酒もおなじ徳利でださなくてはならなくて、欲求不満が積み重なりました。


そんな時お付き合いのあるギャラリーの個展で出会ったのが京都のガラス作家金子正宏さん。お父様は京都大学理学部の特殊な試験管やビーカーを作る職人さんであったという金子さんは、様々な種類の筒状のガラスから美しい徳利を創り出されていました。


以前にも紹介したことがありましたが、金子さんが病に倒れられ創作活動が出来なくなって、倉庫に残っていた徳利もごっそり頂戴しました。しかしながら陶器以上に割れやすく耐久性のないガラスのこと、この徳利達が割れてしまったらどうしましょう・・・という不安が常に心の片隅に宿っています。