奇跡のヴィンテージ

clementia2008-05-29



近頃の日本酒業界では若い蔵元が杜氏を兼ねて素晴らしいお酒を造ることが多くなってきました。昔のように長い経験を経て杜氏になり、始めていい日本酒が出来るものと信じられたのは通用しなくなるかもしれません。


とはいえ、経験をつんだ名杜氏といわれる方々の力というのはやはり素晴らしいもので、こういう方々のお酒にはぶれがありません。毎年高いレベルで安定したお酒を造る能力があるのです。県内でも磯自慢の多田信夫さん、初亀の滝上秀三さん、開運の波瀬正吉さんなど安定感といったらそりゃ凄いものなのです。


ところが、そんな高いレベルの中でも奇跡のようにさらに素晴らしいお酒が出来る年があります。今飲める「開運 波瀬正吉 純米大吟醸無濾過生原酒 袋搾り斗瓶取り」がそれです。一般市場で手に入る「波瀬正吉」は開運の大吟醸の内最上のものをそう呼ぶのですが、その中でもさらに純米で袋搾りにして無濾過の生原酒を斗瓶にとった波瀬正吉があります。極少量です。写真にはタックに「首純8.1」とメモがありますね。(首吊り(袋搾り)純米、便の番号なんでしょう)毎年開運はこれだけで勝負したいと思うほどの惚れこんだお酒なのに、今のそれは「どうしちゃんたんだろう」とうなってしまほどレベルです。「来年もこの味でね」なんていったら怒られるでしょうね。この素晴らしい奇跡の年をともかく頭に静かに刻み込んでおきましょう。