clementia2008-05-16



遠州灘で獲れる大ぶりの蛤(ハマグリ)です。


力のある素材はそのままが美味しいと言われますが、私ン処ではこの蛤を茶碗蒸しにします。


生のままからを剥くと海のエキスと瑞々しいプックリ膨れた蛤が現れます。食べやすい大きさに切り、蛤から出た汁で玉子を割ります。出汁は旨みがたっぷり、海の塩味も加わっていますので、茶碗蒸しに一般に必要な出し汁も調味料もほとんど必要なくて、個体差による味の調整をほんのちょっとするだけ、蛤と玉子以外は何も加えません。一人前の茶碗蒸しにちょうどまるまる一個の蛤が殻以外は全部入ります。


柔らかく仕上げた茶碗蒸しに柚子の香りのあんをはり、天然のこごみを天に盛ってできあがりです。


「素材がいいからそのまま」ではなく、だからといって「こねくり回しすぎず」というのは目標とする料理の姿勢の一つです。