老舗?

親子三代続いていい加減な性格なのか、店の創業が何年何月であるのかよくわかっていません。


昔祖父母に「店はじめたのはいつ?」と聞いたところ、


「大正15年だよなぁ、おい」と祖父
「○○が生まれた年だから13年よぉ」と祖母
と、どちらもはっきりしませんでした。その頃の事ですから、会社としての登録をするわけでもなく、盛大に開店記念をするわけでもありませんから、何十年も前の事を覚えていなくても不思議ではありません。


大正末期であったことは確かなようなので、んじゃ大正13年ということにしておこう・・・と、私が勝手に決めてしまいました。その辺の事まで覚えている年寄りももういませんから、まっ、いいかぁ。。。ってところです。


大体、この辺りには創業100年を超える店がいくらでもありますから、80年程度を自慢下に話すこと自体お恥ずかしい事で、「そこそこ長くだけは商売をさせていただいています」くらいの気持は実感でもあるのです。ですから「老舗」といわれたとしても「えっ?うちのこと?」と周りを見渡してしまいます。




とはいっても、近頃の店の移り変わりの速さはなんなんでしょう。


近所の焼肉屋さんは一年も立たないうちに居酒屋さんになりました。その前にあった中華料理屋さんは20日で止めてしまっていました。


ワンブロック先の老舗中華料理屋さんは大手居酒屋グループがになりました。その通りは経営者の顔が見えない居酒屋チェーン店が居並んでいて、私などが通いたい店はほぼなくなってしまいました。


雑誌を見れば東京の新規開店の店ばかりが注目されています。有名シェフの○○さんがプロデュースする「○○」・・・・・何年続くのでしょう。続ける事はきっと問題ではないのですね。利益をあげることだけが命題なのです。


Dancyu 料理王国などのバックナンバーをめくると、数年前紹介され店で今も話題になっている店はほとんどありません。



生業(ナリワイ)としての料理店がじっくり育って、長い間お客様に支持される時代はもうやってこないのかもしれませんね。食いしん坊の一客としての私はそういう風潮はすごく嫌です。