映画

「シャンハイ」

週末に観た映画「シャンハイ上海」は俳優たちの存在感を堪能する映画でした。 コン・リー チョウ・ユンファ 渡辺謙 菊地凛子 ジョン・キューザック 特にコン・リーとチョウ・ユンファの迫力は圧倒的でした。ストーリーの説得力は今ひとつなのに、コン・リー…

 「ツリー オブ ライフ」「一枚のハガキ」

テレンス・マリック監督は私にとって「わけがわかんない」監督の一人です。 お得意様が以前、「”シン・レッド・ライン”素晴らしいよね」と当時公開された話題作のお話をしてくださったのですが、私にはやっぱりわけがわかんない映画でした。ストーリーはそれ…

なぁぁんだ、そういうことだったのか。

昨日お話に及んだ「未知との遭遇」が、監督であるスピルバーグのどういう心の変遷の中で出来上がり、その後の彼の映画製作の過程でどういう変化をしていくのか? つい先日読んだ町山智浩さんの「映画の見方がわかる本」で詳しく取り上げられています。 目か…

スーパー8

封切りを楽しみにしていたJ.J.エイブラムス監督作品「スーパー8」を観てきました。 映画全体を包む1970年代後半のトーンに始まり、様々なシーンがスピルバーグの「未知との遭遇」「E.T.」へのオマージュに満ち満ちているのです。 未知との遭遇世代の私にはそ…

現実離れ・・・ではない現実〜「冷たい熱帯魚」

園子温監督作品「冷たい熱帯魚」を観てきました。 強烈です。圧倒的です。おもいっきり滅入ります。 これほどエグイ暴力と殺人、死体処理、倒錯した性描写は映画、物語で発表しても真実味がないはずなのに、実話に基づいているという事実で一気に萎えます。 …

ありえない・・・くもないかも。

「ブラック・スワン」を評して「こんなのありえない!」とうそぶいた私ですが、一般的に見れば「ありえない!」はずの映画「オーケストラ」を録画で観て「ありえない・・・くもないかも」と思ってしまいました。 「オーケストラ」のストーリーは、旧ソ連でユ…

ブラック・スワン

スコセッシの「シャッター・アイランド」がそうであったように、精神異常をあつかった映画は見ていてつらくなります。 どんなストーリー展開があっても「実は精神異常の妄想でしたぁ」とされてしまうと、フラストレーションがたまって映像を見ていてもイライ…

ザ・ファイター

BSで山田洋次監督がおっしゃっていました。 若い助監督時代 ヌーヴェルヴァーグの影響を受けていた頃には、小津安二郎監督の映画なんてバカにしていたものでした。ある日先輩助監督に「どんな映画でも芯に家族の物語を植えると骨格がしっかりしてくるものだ…

「英国王のスピーチ」

アメリカで高校大学を過ごした友人が語るには「現エリザベス女王のスピーチを聴くとね、英語ってこんなに美しかったんだぁ。。って思うのよね」と。 どの国の言葉も、美しく語られたとき、その言葉は心に響きます。 演説が人々の心を動かした時代が確かにあ…

「ヒア・アフター」「ザ・タウン」

ファースト・シーン ギターの音 最初の二小節で「ああ、またイーストウッドにいい気持ちにしてもらえる」という予感で心が充たされました。 映画「ヒア・アフター」です。 最初の音による癒された瞬間に比べ、映像はバカンスを楽しむ南国の島であるにもかか…

「武士の家計簿」「瞳の奥の秘密」「ソーシャルネットワーク」「完全なる報復」

昨年の夏からこのかた、シネコンはTVメディアミックスの日本映画が9割を独占し、創り手の志を感じるような「観たい映画」がない状態が続いていました。 さすがに年末から年始にかけてはそんな状態が少しは改善されたのか、少し暇になった年明けから四本の映…

ねこタクシー

映画「ねこタクシー」の主人公は、人付き合いが苦手で、教師も辞めてしまった万年営業成績最下位のうだつ上がらない中年タクシー運転手です。彼がひょんなことから営業中のタクシーに乗せてしまった野良猫、この猫同伴のねこタクシーのおかげで営業成績は上…

映画館の危機

「大奥」 「スープ・オペラ」 「君に届け」 「機動戦士ガンダム」 「ザ・ラストメッセージ 海猿」 「借りぐらしのアリエッティ」 「はなみずき」 「Beck」 「悪人」 「私の優しくない先輩」 「十三人の刺客」 「バイオハザード?」 「食べて、祈って、恋をし…

いつか晴れた日に

「ああ、そういえば観てなかった」とHDDに録画しておいたアン・リー監督作品「いつか晴れた日に」 休憩時間に最初だけね・・・と観始めると、最初の5分間であっという間にググッと惹きこまれてしまいました。夜仕事が終わるのももどかしく夜更かしをして最後…

映画「ヒックとドラゴン」

「CGアニメだからダメ」「子供用だからNG」の呪縛からほぼ解き放たれて、「ピクサーだから観にいく」「ジョン・ラセターだから追いかける」に変遷した私に、ドリーム・ワークスが追い討ちをかけました。「CGアニメだから」要チェックの時代になるかもしれま…

DVD鑑賞

休日の留守番にかこつけて一日中借りてきたDVDを観ていました。 レンタルDVD屋さんにでかけたのは三ヶ月ぶり、記録です。 見逃した作品を選んで「母なる証明」”Up”(カール爺さんの空飛ぶ家)「五百日のサマー」 三作とも見応えたっぷり、ちょっと疲れてしま…

石頭の偏屈

備忘録もかねて映画館で観た映画は一通りこの日記に書き連ねてきましたが、この三ヶ月くらいの間に見た映画は書き始めると批判的になってしまいそうで書くことをためらっていました。観て来たのは「告白」「インセプションズ」「ソルト」「キャタピラー」 で…

ジェームス・アイボリーは大好きな映画監督の一人。中でも「日の名残り」はアイボリーでなくては撮れない映画の一つです。先日、たまたまwowowowでの放映があって見始めると、最後まで惹きこまれてしまいました。これで三度目の「日の名残り」。 で、 その直…

「シャッター・アイランド」

このサイトでは料理も本も音楽も映画も批判的なことは言葉を濁すか、言いたくてもいい面を80書いておいてネガティブな批判は20に留めておくようにしようと思っています。料理店の批判などは店名が絶対にわからないようにするためにあれこれと小さなウソもつ…

映画「第九地区」

アカデミー作品賞にノミネートされ話題となった「第九地区」を観てきました。 ある日、地球外から正体不明の傷つき飢えた難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ ヨハネスブルグ上空に姿を現します。攻撃もしてこない彼らを地上で隔離することになります…

映画「花のあと」

休日に映画「花のあと」を観てきました。 藤沢周平原作映画化は相変わらず人気です。「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」の山田洋二三作 黒土三男「蝉しぐれ」 最近の「山桜」に続いて「花のあと」 調べてみたらそれ以前には藤沢作品の映画化…

映画「ハート・ロッカー」

休日に映画「ハート・ロッカー」を観てきました。 敵と味方が戦場で相見え戦う・・・映画として記憶に新しいのは「プライベート・ライアン」の凄惨な戦闘シーン、私たちがイメージする戦争の凄惨さはここに尽きたました。しかし1990年代以降、イラクのクエー…

インビクタス

週末に映画「インビクタス」を観てきました。 一ヶ月ほど前にDVDで「名もなき看守」を観ていましたので続いてのマンデラ関連作品です。 両方の映画共にネルソン・マンデラという稀有な存在がいかに人間的に偉大であったかを描いている映画です。歴史上の人物…

ぼんやりした昼寝の連続

よほどの大きな悩みでもなければ、夜眠れないということがめったにない私なのですが、休日前の土曜の夜はいつものように朝起きるまでぐっすりとはいかず、寝付けない夜でありました。 とはいっても、翌日は休日だし、眠れなくても人間、横になっているだけで…

アバター

小林信彦さんの「黒澤明という時代」の冒頭にこんな文章があります。 「文学でも、映画でも、その作品が発表されたときの衝撃ーーーこの言い方が強すぎるとすれば、人々の中にじわじわと広がってゆく波のようなもの、と言い変えてもよいのだが、これはリアル…

「パブリック・エネミーズ」〜今年の映画

男性から見ても今一番セクシーな俳優ジョニー・ディップ主演・・・ということで、ものすごく楽しみにしていた「パブリック・エネミーズ」 やっぱりマイケル・マン(監督)はマイケル・マンらしいというのか、ドンパチの迫力は超一級なのに、物語としてのダイ…

イングロリアス・バスターズ

午後からタランティーノ映画「イングロリアス・バスターズ」へ。 今時珍しいほど命が軽々と奪われていく戦争映画なのはタランティーノならではの描写ながら、映画としての出来は超一級。ワクワク ハラハラ ドキドキが最初から最後まで途切れることなく続きま…

リハーサルでわかる凄み

素人にはなかなか理解できないプロの凄みは、必ずしも本番ではなくリハーサルで目の当たりにすることがあります。 たとえば、グレン・グールドの練習風景の映像は私には衝撃的でした。 ガウンを着たグールドが一心不乱にピアノに向かい、ふと手を止めて窓か…

お涙ちょうだいのホームラン王

白血病はお涙ちょうだい映画のホームラン王です。 この数年だけでも何本の癌・白血病で涙を誘うポンニチ映画が公開されたのでしょう。愛する人を失うことをお題目にして、安易に涙と感動と観客動員数を狙う映画は大っ嫌いです。 ハリウッド映画「私の中のあ…

フリーダム・ライターズ

手帳には購入すべき本 CD、レンタルすべきDVDが常にずらずらと書き連ねてあります。 映画館に見たい映画がかからなくなってすでに二ヶ月、こんな休日にはDVDは欠かせません。 で、 借りてきたのは「フリーダム・ライターズ」 メモにはヒラリー・スワンク主演…