ぼんやりした昼寝の連続
よほどの大きな悩みでもなければ、夜眠れないということがめったにない私なのですが、休日前の土曜の夜はいつものように朝起きるまでぐっすりとはいかず、寝付けない夜でありました。
とはいっても、翌日は休日だし、眠れなくても人間、横になっているだけで充分に疲れはとれているのだ・・・と信じていますので、日曜日は中上健治「枯木灘」を手にとってはぼんやり眠くなってウトウト、また手にとってはウトウトを繰り返していました。まっ、こんな休日もありです。
午後にははずれるかもしれない・・・と危惧しつつ映画「ラブリー・ボーン」を観てきました。
十四歳の明るい家庭に育った少女が交通事故のように暴行を受けて殺され、天国との狭間で漂いつつ、犯人を見つけられない現世を見守るという内容。
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督作品ですから、少女のいるあの世(天国の手前)の映像は幻想的でそれはよく出来ているのですが、見ている私はどうしてもハリウッド的なカタルシスを映画に求めてしまうのです。「ゴースト」で霊媒師を通じて現世と交信したように、「シックス・センス」であの世とこの世の境を劇的に演出したり・・・という風な胸のすくなにかを。
ところが、この映画では最後に少女の思いはある意味遂げられるのですが、それは少女の力を借りて犯人を暴き出したり、あの世から犯人に鉄槌を下すと言う決定打ではありません。さらに、あの世を描くのには美しいのに現世で家庭は崩壊していく現実にいまひとつきめ細かさがないのです。それゆえに悲しさの膨らみがありません。
悪くはない映画なんですけどねぇ。。。様々な場面でとてもよく作られているのに、様々シーンで物語の構成がいまひとつ映画的に盛り上がらない。かといって芸術的な説得力もない。
惜しいなぁぁ。。。
少女を演じたシアーシャ・ローナンがものすごく良い!彼女を観られただけで欲求不満の80%は解消できます。事前情報なしで映像をみただけでは、私はローナンが「つぐない」で名演をみせたあの少女であることに気づきませんでした(単に私がぼんやりしているだけかも)
さらにマーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ 主要なキャストは全員素晴らしい。
レイチェル・ワイズもレイチェルであることに気づくのに丸一日かかりました。「あの女優だれだっけ?あれぇぇ??ほかに何に出るんだっけ??」と連れ合いと考えても出てこない胸のつかえ。気持ち悪い。
先ほどwebでレイチェル・ワイズと知って、なんと言うあほな私・・・とあきれています。「太陽の雫」「スターリングラード」「ナイロビの蜂」印象に残る演技目白押しなのに・・・それだけレイチェルの演技が物語に入り込んでいて素晴らしかった・・・ということにしておこう。