ねこタクシー


映画「ねこタクシー」の主人公は、人付き合いが苦手で、教師も辞めてしまった万年営業成績最下位のうだつ上がらない中年タクシー運転手です。彼がひょんなことから営業中のタクシーに乗せてしまった野良猫、この猫同伴のねこタクシーのおかげで営業成績は上がるものの、保健所が現れてピンチがおとずれます。しかしながらこの問題を乗り越えようとする中で、主人公の生き方にも変化が。。。


お涙頂戴でもなく、人気若手俳優がメインでもなく、首都圏キー局主導のメディアミックスでもなく、世界の亀山モデルでもなく、人気漫画原作でもなく、バカ人気の携帯小説でもなく、ベストセラー小説の原作でもなく、不治の病もなく、リメイクでもなく、CGもなく、3Dでもなく、メディア・ミックスではないので当然大掛かりなTV宣伝もこの地ではないこの映画が、最良の・・・とまではいわないまでも、見る人間の心にちゃんと響く映画であったことがことのほか嬉しいのです。


映画を観ていて感じるのは、シネコンを席巻している日本映画から感じる反作用かもしれませんが、創り手たちの「こんな映画が創りたい」という志です。この志が映画界に残っている限り日本映画はまだ捨てたモンではないかもしれません。