「英国王のスピーチ」


アメリカで高校大学を過ごした友人が語るには「現エリザベス女王のスピーチを聴くとね、英語ってこんなに美しかったんだぁ。。って思うのよね」と。


どの国の言葉も、美しく語られたとき、その言葉は心に響きます。


演説が人々の心を動かした時代が確かにありました。


ケネディー、キング牧師オバマ・・・いえ、それよりもずっと以前、昭和の初期には日本でも国会の演説が民衆を動かしたと聞きます(今の様相から信じられませんが)演説のレコード盤が売れた時代でもあり、演説会に集まった人々の熱気で会場が包まれたのだそうです。


それらがラジオから流され時代がグラッと動きました。まさにそんな時代に図らずも英国王なってしまったジョージ6世の物語です。


物語は吃音で悩むジョージ6世とそのオーストラリア出身の言語聴覚士、王妃らによって進められます。


クライマックスのジョージ6世の大英帝国全土に向けて国民を鼓舞する演説のシーンは俳優達の演技はもちろんのこと、見事のカット割りと編集で、それぞれの人々の心持と国民の心の動きが躍動的に表現され、この部分だけでも永久保存にしたいくらいの出色のできでありました。


これからわずか6年後、日本では玉音放送が行われ、ラジオを囲む国民の姿のなんと違うことか。愕然とします。