お褒めの言葉


昨日の続き。


以前にちょっと書いたことがあった話題。お得意様がお連れくださったお客様の素性を知ったのは料理も後半に入ってからでした。ちょっとでも骨董に興味のある方でしたら皆さんその存在を知る有名人(私もお名前は存じ上げていました)と、日本でも三本の指に入る骨董商の若きご夫妻。


そうと知ったと同時に冷や汗が背筋を流れるのを感じながらも、自分の身の丈を超えることは出来ないこともよくわかっています。私が使う器には骨董は一点もなく、ビックネームの作家モノも一点もありません。


お得意様の座持ちのよさのせいもあって、座は賑わい楽しい時間をすごしていただいたように見えたそのお帰りのとき、「お宅はなかなかいい器使ってるね」というお言葉を頂戴しました。こんなお話を披露するのはまったく手前味噌ではありますが、お世辞、話半分としても、まっ、悪印象は持たなかったと一安心したのでした。きっと「いい器」は「田舎町にしては・・・」という前の句と、昨日お話したような「突出したものがないバランス」という含みがあった言葉であったのだろうと思うのです。