ちば漫画


中年男性で「あしたのジョー」を知らない人は少数派でしょう。


私などまさにドンピシャ世代。連載当時が中学生で毎週の連載が楽しみでした。


ちばてつやさんの漫画は私の場合、「ちかいの魔球」に始まり「紫電改のタカ」「ハリスの風」「おれは鉄平」「島っ子」「螢三七子」「のたり松太郎」まではリアルタイムの連載で楽しんだちば世代なのですが、大人になってから読み返すことなく漫画から次第に遠ざかっていたのでした。あれほど熱中していたのに。


が、
つい先日、欠かさず聴いているラジオ番組「ウィークエンドシャッフル」でちばてつや氏のロングインタビューhttp://www.tbsradio.jp/utamaru/2015/10/1024_2.htmlが放送され、ライムスター宇多丸さんのちばてつや礼賛とちばさんご本人の仏のような対応にちば漫画読み返さなくちゃ、と強く思ったのでした。


その思いをさらに強く増幅させてくれたのが、ちばさんのアシスタント時代を克明に描いた川三番地あしたのジョーに憧れて」でした。


あしたのジョーに憧れて(1) (KCDX)

あしたのジョーに憧れて(1) (KCDX)


これを読むと、漫画を締め切りに間に合うように取りまとめるよりも、作品の完成度のために、かけるべき手間は時間を惜しまずに全てかけるというちばさんの手抜きのない職人のお手本のような仕事に、感動で誇張でなく胸が震えてしまったのです。


子供時代に熱中して頃にはちば漫画のこの凄みは全く理解していませんでした。


同じ職人仕事という意味でも、漫画のストーリーだけに熱中していた子供時代よりも、仕事のなんたるかが少しは分かるようになってきた今こそがちば漫画に浸る時です。


まずは途中になっていた「のたり松太郎」からかな。


藤沢周平が中年になってやっと好きなれたように、松太郎の傍若無人が今なら腑に落ちるかもしれません。


楽しみです。