初めてのkindle


この二年くらい読書の八割は図書館を利用することで済ませています。


増える一方の蔵書を眺めて、「この中で一生友とする本が何冊あるのか?」と考えると、ほとんどが捨てられないけど頻繁に再読する確率は低い本ばかりなのに驚きました。さらに多くは再読しても全く新しい本を読んだと感じるくらいボケボケの記憶力しか持ち合わせませんので、スペースを考えてもこの先の読書量を考えても蔵書を増やすことは賢明ではないと思ったのです。


そうやってほとんど生まれて初めて市立の図書館に通うようになると、読みたい本のほとんどは市内のどこかの図書館に存在し、net予約で簡単に読めることを知りました。


以来、数えてみたら月に8-10冊は図書館のお世話になっていました。


再読したければもう一度借りればいいのです。


が、
やっぱり手元に置いて、どこかの章をいつでも読めるようにしておきたい本もあります。


最近図書館で借りて「あっ、これは手元に置かなくては」と思ったのが、橋本麻里さんの「日本の国宝 100」


橋本さんが選んだ国宝を彼女独特の筆致で解説しくださる文章が、美術史的だけでなく文化史、歴史まで含めて興味津々でワクワクします。


というわけでamazon検索でポチッとしようとしたときに、この本にkindle版があるに気づきました。


図書館を利用し出すと、タブレットが必要な環境はさらに遠のいていたので、kindleには興味がなかったのですが、windows版PC用のkindleを試してみるとPCでも思いの外使いやすいのです。


しかも「日本の国宝 100」は新書版で美術解説なのに写真が一枚もなく記憶にない美術品はPCで画像検索しながら読むので、文章もkindle上で読めるのはとてもありがたいのです。仕事スペースの二台のPCと自室のノートPCでいつでもこの本が読めれば、書籍よりもずっと楽ちんです。


ってなわけで遅まきながらのkindleデビューは橋本麻里さんからです。



もひとつ。


橋本麻里さんの文章と美術コンシェルジュのような仕事ぶりはいつも素晴らしいのですが、私、橋本麻里さんの特にその語り口にぞっこんなのです。


多くはTBSラジオ「セッション22」などのラジオで聞くことが多いのですが、ちょっと早口で、軽いボケを混ぜながら軽妙に話題を膨らませていく橋本さんの話っぷりは、「橋本麻里出演」と見ただけでチャンネルを合わせたくなるほどの魅力に溢れています。


こういう「語り口でやられちゃった」女性、岸本葉子さん以来だなぁ。


先日日曜美術館に出演したときの映像を保存していなかったのが痛恨です。