葉室麟〜藤沢周平〜山本周五郎


うかつなことに、直木賞の受賞を知るまで葉室麟という作家の存在を知らずにいました。


何度も候補に挙がっているのですから、頭の片隅にあってもよさそうなものなのに全く引っかかっていなかったという無知。「週刊ブックレビュー」に登場しているのをみて早速本屋さんで「銀漢の賦」 「秋月記」を購入して読んでみるともう当然のように面白い。


たまたま文庫で並んでいた2冊が二つ共に武家青春小説の部類に入る物語で私の大好物でした。とりたてて時代物だけを好むと言うほどではないのですが、藤沢周平がやっとすんなり読めるようになった四十代くらいから何冊かに1冊は時代物を手にしています。ほとんどは繰り返して読むほどではないのに唯一武家青春ものは読み返してしまうほど好きです。


藤沢周平ですとなんといっても「蝉しぐれ」と「風の果て」 葉室麟はその系譜で十分読み応えのある小説家でした。


そしてこの分野で何より好きなのが山本周五郎「長い坂」 最近新聞に取り上げられて再ブームの兆しなどと聞きますが、再びあの名作を読み返してみたくなってきました。