時代を切り取る著作


本屋で目にとまった小熊英二さんの「社会を変えるには」という新書は、表題が昨今のキャッチーなタイトルとはかけ離れている分よけいに目につきました。


小熊英二さんが書いたのでなければ「社会を変えるには」という題名ではおそらく手に取っていなかったはず。以前に読んだ「日本という国」で小熊さんの立ち位置や筆致を知っていたからこそ購入しました。


読み進めるとやっぱり小熊さん。過去を明確に評価し、今という時代を切り取る見事さはうなるほどです。わかりやすい言葉で丁寧に、新書のお手本のような書きように二冊分はあるかという分量が気になりません。


この半年ほどで佐々木俊尚さんの「当事者の時代」 古市憲寿さんの「絶望の国の幸福な若者たち」 与那覇潤さんの「中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史」と立て続けに過去を振り返り現代を見据える名著に出会うことができました。これほど短い期間に幸福な出会いがあることって私的に希です。


四冊とも何度も読み返したい本達です。(「当事者の時代」はすでに三回読み返しているかも)



こういう名著が続いているというのは確かに社会が変わる・・・もしくは変わらなければ困る・・・という実感が国民の間に共有されているのかもしれません。


社会を変えるには (講談社現代新書)

社会を変えるには (講談社現代新書)


「当事者」の時代 (光文社新書)

「当事者」の時代 (光文社新書)


絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち


中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史