異文化の味


韓国の家庭で手作りされた白菜のキムチをいただきました。


作っている方の顔が見えるキムチです。


以前にソウルを訪れたときにはもちろん各種キムチを食べたのですが、それらとも別物。辛みの質が違いますし、発酵がしっかり進んで酸がかなり高いのです。


これが美味しい。


日本でよく食べる塩漬け白菜にキムチの素が和えてあるようなシロモンをあざ笑うかのような「どや!」と主張している味わいです。


ここからさらに発酵が進むと漬け物として食べるのではなくて調理して食べるのだそうです。



よく牛肉は霜降りA5のサーロインやヒレこそが世界で一番美味しいのだと思っている方を見かけます。食べ物はすべからく日本が一番と信じている方には、家庭料理のキムチにはいわゆる旨味成分がなくて旨さを感じられないかもしれません。心を平静にして異国の文化をしっかり受け止めようとすると別種の美味しさが理解できます。




牛肉といえば、朝の情報番組で東京ではステーキが旬であると、格安店 ニューヨークの老舗日本出店などが紹介されていましたが、どの店でも表面だけを焼いて中は生に近い状態のものばかりで料理人の技術が見えるようなステーキはひとつも見当たりませんでした。


かくいう私も牛肉を焼くことに目を見開かれ始めたのはこの10年ほどです。


一番のきっかけは「北島亭」さんの牛肉。


本来の美味しさが表現されいているものを食べて、初めて理解できるのです。


異文化の美味しさを理解するには妙なこだわりを捨て正しい美味しさを冷静に見つめることから始めなくてはならないんでしょうね。