笑顔の問題


尊敬する同業先輩は「お客様に笑顔が出せないサービススタッフはやめさせてしまうこともある」と言っていました。「笑顔はコストはかからない最強のサービスである」とも。


ところが自然な笑顔ってのは簡単そうで案外難しいのであります。


これって人それぞれの資質によるところがあるかもしれません。最初から自然に笑顔を作ることができるスタッフ、どんなにがんばってもぎこちない笑顔しかできないスタッフ、教えて誰でもできることでもないんですよね。


そんなことを思ったのは、休日に出かけたある飲食店のスタッフに笑顔が一切なかったからなのです。お得意様とはとても言えないながらすでに何度も足を運んでいる店なのですが、このお店、お味は十分満足できるのに、店主 スタッフに笑顔が全くありません。入店するときも注文を受けるときもお勘定の時も帰るときも。感じが悪いというわけではないのですが、こちらを見たときに笑顔があればどれだけ点数が高いか・・・といつもとても残念に思います。


ひるがえって自分はどうか??


35年もこの商売をやっているのに、お客様に自然な笑顔を作り出すのが私はとても下手です。


もちろん、一回でもお越しいただいていてお客様の素性がわかっている方には、当然のようにご来店のその瞬間から自然な笑顔で「いらっしゃいませ」と言えるのですが、一番難しいのが、一見のお客様に対するときなのです。まったく未知の方、もしくは予約無しで入ってこられた方に最初からこぼれるような笑顔を作れません。手練れのお客様になると、一見のファーストコンタクトでお客様のほうが笑顔で入ってこられ、こちらも笑顔で答える場合もあるのですが、本来ならその逆でなければならいはず。


意識してがんばらなければでない笑顔では、どれほど長く商売をしていてもサービスの極意に達するにはまだまだ長い道のりです。笑顔がない・・・なんて他店舗を批評する前におまえがちゃんとやれよ・・・ってことなんですけどね。スタッフのフォローがなければヤナ店主になっちまう私。