ムートンの会


お得意様が持ち寄ったシャートー・ムートン・ロートシルトの会



集まったのは1979 1988 1993 1994 1996 1999


おおざっぱな印象で言えば、完璧な熟成の1979 1988 本領を発揮し始めた1993 1994 最初は身体を硬くしていたのにみるみるうちに華やかに変化する1996 最初から予想外に美味しい1999


これらの宝物のようなワイン達が極東の田舎町 和食の料理店で楽しまれたというのが、料理人としてワインナーとして何よりうれしい事実です。私の自己満足ともいえるワインへの尊敬と愛情の気持ちをお得意様達がくみ取ってくださったゆえと、ひとり悦に入っておきます。料理人にワインを評価する能力が欠片もなければお客様はきっと持ち込まれないでしょうから。


キラキラ輝くようなムートンに和食をあわせるのは至難の業なのですが、お出しした料理は「蒸し鮑の肝和え フランス産アスパラソバージュ 黄身ソース」「三河産 脂ののった赤むつの若狭焼き」「岩手産牛肉ランプ 炭火焼き ハラダ農園のズッキーニ博多 バージンオイルをたっぷりと」「チーズ各種 ミモレット18ヶ月 クラリンヌ スティルトン シュブロ・サンドレ」 なんて感じ。


ワインに高いハードルを感じていらっしゃる方々は、こういうワインを開けるような会は蘊蓄が飛び交う縁遠い集まりのように思うかもしれませんが、このレベルを楽しめる方々というのは、ワインも料理も楽しい時間を過ごすための一アイテムでしかないのですね。会話はあっちに飛びこっちに飛び「私が」ワインの偉大さに頭をたれる以上に皆さん達のお話の渦を楽しませていただきました。


それにしてもムートン、素敵だ。