日本酒の行方


ライターの白央篤司の発言はブログでもtwitterでもいつも注目しるのですが、昨日twitter上で



”日本酒って、多くの日本人にとっては「イベント盛り上げツール」なんだよなあ。「お寿司屋さんだから、ちょっといい和食やさんに来たから(日頃は飲まない)日本酒」「和服の会食だから」「屋形船だから」「祭り・正月だから」…何をいまさら、と言われるでしょうが。”


”和食の料理人を名乗る人々の多くも、日本酒にはさほど関心がないのが実情だと感じている。関心どころか、「美味しいもの」と認識していない人だって少なくないんじゃないだろうか。”


和食屋さんで「あそこのご飯が食べたいなあ」と思う店は結構あるのだけれど、「あそこで日本酒飲みたいなあ」と思わせてくれる店は、少ない。本当に少ないのよ。料理には細心の気配りをされていても、日本酒は有名どころちょっと置いて終わり、「ワインリストはこちらに(豊富)」的店、多いもの。”


”という話をすると「それはイコール、ワインの方がポテンシャルが高いという証左になるわけですね」的なことを言ってくる面倒くさいのが出てきがちなんだけれども。いや、ワインも大好きなんですが。”


”だらだらツイってしまったけれど、うーん。フツーに日本酒特集をやっても、日本酒好きな人しか買わないよなあ、と思って。他の特集だと「あ、ちょっと興味あるからのぞいてみよう」な人が一定数見込めるけど、日本酒特集でそういう感じを生むにはどーしたらよかんべ、と思っちゃったのでした。”


という連続tweetがありました。雑誌の特集にも深く関わっているライターらしいお言葉。


日本酒に日々携わっている私のようなモノには痛い、まさに耳に痛いご意見です。


ありがたいことに私ン処は日本酒ファンもワインファンも集ってくださる店であるが故に、巷の日本酒事情 ワイン事情を見誤ってしまうことがあります。世間での日本酒のあつかわれ方ってやっぱりマイナーな存在になっているのかもしれません。


実際、”和食の料理人を名乗る人々の多くも、日本酒にはさほど関心がないのが実情””関心どころか、「美味しいもの」と認識していない人だって少なくないんじゃないだろうか”というのもおっしゃるとおりで、フレンチやイタリアンのシェフのワインへの造詣の深さに比べるとまったくお寒い限りといわなくてはなりませ。


日本酒に限って言えば、有史以来今ほど日本酒のレベルが高い時期はないといっても過言でないほど素晴らしいお酒が続々と現れているというのに、日本人がその美味しさを認識していない、和食料理人が蔵元 杜氏さん達の志の高さを理解していないのは困ったモノです。


私自身も含め、和食料理人はまずはもっと日本酒の美味しさを理解しなくてはいけませんね。