座持ちのよさ


理想的な料理店はというと、腕のいい職人気質のご主人と上品で座持ちのいい女将さん・・・なんて皆さん思うでしょうが、座持ちのいい女将さんもしくはサービススタッフというのは腕のいい職人さん以上に難しいものです。


マニュアルで動くチェーン外食店は論外として、皆さんは座持ちのいいスタッフ、女将さんのいる店をどれくらい知っていらっしゃるでしょうか?


自分の店は遥か高くの棚の上においておくとして、私が伺ったことがある超有名店を思い返してみても、「ああ、この店は女将さん(もしくはサービススタッフ)のよさでもっているな」と思わせてもらった店はほとんどありません。むしろ、超有名店で女将さんがとっても普通なのにほっとすることのほうが多かったように思います。


まっ、超有名店超高級店の常連になれるほど通っていないがゆえに、女将さんも手探り状態であったというだけかもしれませんが、座持ちのいい有能なサービスはたった一回の来店でも目を見張ることがあるものなのですからそういう逸材を見つけるのは大変なことなのです。


私が考える座持ちのいいスタッフというのは、育てるというよりも個人の資質によるところが多いので、それを恒常的に手にいれることが難しいのかもしれませんが、何回かのトレーニングでそういう人材が育つのであればノウハウを教えていただきたいものです。


実際の話、スタッフ云々の前に、私自身が座持ちがよくてお客様を心地よくさせる技術をもっているか?・・・というと、これはもう限りなく赤点に近いほどダメダメなわけですから、人のこと他店ことを取り上げること自体がいかがなものか・・・というお話ではありますが。