55歳引退


フレンチの巨匠 ジョエル・ロブションが絶頂期のころ「55歳で引退する」と言ったのを聞いて愕然としたことを憶えています。


アメリカなどでも若くして事業に成功し、40代で引退、後は悠々自適などという夢のようなお話も聞きます。




わが身を振り返ると、55歳定年は絶対に無理としても60-65歳くらいには引退してのんびりしたいものだ。朝から夜遅くまでの仕事から開放されたい、週休二日三日、それ以上の休みが欲しい、年末年始に身体を休めてみたい、行きたい時にコンサートに行ってみたい、一年に一度くらいは10日ほどのバカンスを楽しみたい、せめてヨーロッパに一度くらい足を運んでみたい、ブルゴーニュの地で葡萄畑を眺めながら一日中ボーっとしてみたい・・・などなど、休みたい、遊びたい、遠くへ行きたい、と駄々っ子のように希望だけが膨らんでいたのです。



団塊の世代が定年を迎え、私達の同年代もあと数年で定年です。友人達は果たしてどうするのでしょう?



と考えると、定年は自己申告である自営業の私は身体さえいうことをきけば、いつまでも店が潰れるまでは自由に仕事ができる、ある意味恵まれた環境にいることを最近になってひしひし感じています。


さらに


困ったことに、昨年のリニューアル後特に、仕事が面白くて仕方なくなってきています。遊ぶ時間は欲しいけれど、長時間仕事をすることがちっとも苦にならない、というか楽しいのです。20年前の私では考えられません。


比べるのもおこがましいのですが、イーストウッドは70歳を越えてからの映画造りに、神がかった何かを感じるほど充実した製作意欲に満ち溢れています。


イーストウッドにはなれなくても、年齢を経て仕事がさらに充実することが決して夢ではないのかもしれないと思い始めました。


50歳を越えて守りにはいり、仕事が自己満足、時代遅れになっていく料理人を回りにたくさんみてきて、50歳以降が恐ろしく感じていた40代に比べ、こんなに精神が充実した50代を過ごしていることが不思議です。もしかしたら、それもただの自己満足かも。。。。果たして友人達が定年を迎えて以降、より仕事を高めていくことができるのでしょうか?ちょっと不安もありつつ、楽しいことは間違いないはずです。はてさて私の定年はいつ??