料理講習


毎年おおせつかっている調理師学校の講習を今日こなしてきました。


いつから承ったのか?すでに記憶のかなたにあるわけで、たぶん20年くらい前から?いやもう25年??思い出せません。


毎年、お題目とするのは「現場では何をしているのか?」というものです。学校で習うことと、現場で実際に日々こなしている仕事ではこれくらい違うものなのだよぉ。。。ってなことが伝わればいいな、と思っているわけですが、まだ学校に入って半年足らずの若者には、きっと言っていることの1/10も伝わっていないかもしれません。


でも、それでいいのです。これから入る料理の世界の現場を垣間見せるだけで私に課せられた仕事はこなすことができたと思っています。


今日も、実際にお客様用に朝仕入れた魚を持ち込んで、朝の仕込みの段取りから、夜お客様に料理としてお出しするまでの、精神的な心構えから、実際の手はずまでを順に説明してみました。100人近い生徒のうち95人くらいまでが(私の側から見れば)熱心に聞いてくれていて、それだけで有難いもんだと手を合わせるような気分になります。授業が終わってからも数人が私のところまでやってきて話し込んでくれました。


君たちは一生をかけるに値するいい仕事を選んだ。
腰をすえてじっくり学べば、クリアできない仕事はない。
くさらずに、高く持った志を捨てず、日々打ち込めば必ずこの道に光は見えてくる。
仕事は年齢を経れば経るほど楽しくなってくる。


なんて
書き出すと顔が赤くなってしまうような教訓的な言葉ばかりですが、こんな内容も包丁さばきや食材、器の話の中に混ぜ込みつつのお話の数々でした。


しかし、学生は毎年新しくなっても、講師である私の年齢を考えると、そろそろ元気のいい若い職人さんに道を譲るべきではないか??とも真剣に思った今日の講習会でした。