身欠き鰊
鰊蕎麦で有名な身欠き鰊は鰊をほしたものです。
昔は保存食として三枚におろした鰊をカチカチになるまで乾燥させたのですが、今では冷凍技術が発達して、半乾きくらい半干しのソフト鰊というやつが一般的になってきています。
写真はカチカチ版の本身欠き鰊をもどした状態のもの。やっぱりしっかり干したものは味わいが濃くて美味しいように思えます。
とぎ汁に漬け、毎日取り替えてはさらしながら三日間もどします。昔は藁なんかも入れていましたが、いまでは藁自体入手が無理。三日ほどで本体は1.5倍くらいになります。
これを番茶につけて蒸すこと4時間。これで鰊はやわらかくなりますが、あくと鰊の脂がたっぷり出ます。これを半日さらしてあくを抜きやっと味付けです。
醤油 味醂 酒 砂糖などで味を調えて、さらに蒸すこと二時間。鰊本体から水気が出て少々味が薄くなった分を調整してさらに1時間。合計4-5日で出来上がりです。
5日もかけるの?と思われるかもしれませんが、つきっきりで仕事をするわけではありませんし、一瞬の気の緩みで台無しになる可能性は低い料理ですので思ったほど難しいものではありません。それよりも大量に捕れた鰊をいかに保存するかの方が昔は大事だったわけですね。
この鰊に海老芋のピュレをかけて芋と鰊の相性を召し上がっていただきます。