研修生


調理師学校から一カ月の予定で研修生が来ています。


若さが初々しい女子二人、「板前の職場は怒鳴り声が飛ぶ厳しいところであろう」と緊張してやってきたのでしょうが、拍子抜けするほどふつーーの環境に驚いているかもしれません。



料理人見習いレベルがどれほどの潜在能力を持っているかは、一時間も一緒に仕事をしてみればみてとれます。


指示した仕事を一回で理解できるか?「はい」という返事が気持ちよくできるか?与えられた仕事を自分なりに工夫をしてこなすことができるか?


一番わかりやすいのが「真ん中の冷蔵庫、左上の扉、三段目奥から○○を出しておいて」と言ってすぐ見つけられるか「どこにあるかわかりません」と答えるか・・・・このあたりでつまづく子は行く先危ういかもしれません。


彼女たちは私の指示を90%の出来でこなしてくれるポテンシャルの高さをいきなり見せてくれました。しかも、通常新人が2-3週間はかかる出汁巻き玉子も最初からそこそこ上手く出来てしまいます。


教えるという仕事は私には料理の数倍難しい仕事ながら、彼女たちならボンクラな上司にうまく付き合ってくれそうです。



こういう子たちが日本料理に携わってくれるとありがたいと思うのですが、この何年か、日本料理希望の生徒はずいぶん減っているようで・・・ましてや私ン処のような店で板前を目指そうという若者は数えるほどしかいないそうです。


今回預かる女性二人も日本料理希望とはいえ、就職先は集団給食なんだそうです。もったいないなぁ。