天然鴨

clementia2009-11-24



何週間か前から頼んでいた無双網捕獲の天然鴨が千葉から届きました。


ローストして骨からは出汁を。肝をすりつぶしてソースにし、ごぼうをパリパリに揚げて上からかぶせました。使うお酒は達磨正宗平成8年古酒。




修業時代の30年前、合鴨でさえ手に入れるのは大都会でなければ無理でした。冷凍の胸肉でも合鴨でなくバルバリーの鴨が手に入るようになって小躍りしたのが15-20年くらいまえだったか?フランスからブレスの鳥が手に入るようになり、そしてやっと天然の鴨がそれなりに使えるようになったのはまだちょっと前のこと。日本料理にとっての肉料理の道は驚くべき早さで広がりを見せつつあります。




日本料理ではある意味分野外の肉料理は未だに試行錯誤の連続です。魚の熟成具合なら○時間の単位で理解できても、肉の熟成は難しいですし、ビフテキ鉄板焼きの霜降り牛がご馳走という時代に育ったせいか、ローストしたり炭火で焼いたりした後、何分寝かせてロゼに仕上げるか、ソースをどんな風に仕上げるかはさらに経験がないだけに難しいのです。現場でたたき上げて経験していない分時間はたっぷりと必要です。