いりこ


この辺りではいりこ出汁を使うことはほとんどありませんでした。


多くはもっと大きな煮干を味噌汁やお出しに使う程度、料理店で煮干を使うことは修業先でも実家でも皆無であったです。


数年前、八丁味噌に取り組み始めた時、鰹節と昆布の出汁では負けてしまう八丁味噌の力強さに煮干を使ってみたのがきっかけでした。最初は近所の乾物屋に一番多く置いてある大きな形の煮干。頭とはらわたを取って半日二番だしに浸して赤だし味噌のもとに使い始めると手強い八丁味噌になじんでくれたのです。


そうこうしているうちに別の乾物屋さんでいりこ(白煮干と呼んでいます)が入荷し始め、使ってみるとこれがさらに上品な味わいを出してくれます。


赤だしはもちろんのこと、近頃では野菜の煮物に追い鰹追い昆布をするかわりにいりこをガーゼに包んで加えることで味に奥行きをもたせることを学びました。


茄子の煮びたしにいりこ、切干大根に干しエビといりこ、白ずいきにいりこ、蓮根の旨煮にいりこ


大活躍なのです。


しばらくはいりこの可能性をもっと探ってみます。