焼き鯛


今の若い和食料理人の中には鯛を焼いたことなんてないという職人も多いのではないでしょうか。


実際料理屋でも家庭でも尾頭付きがテーブルに上ることはなくなりました。結婚式も多くはフランス料理で行われ、結納は風前のともし火、上棟式にご祝儀の折詰を用意する家庭も激減しています。いつの間にか「お祝に鯛」は過去のものになってしまいました。


今日久しぶりに上棟式用の折詰のために鯛を焼きました。




昔は大安吉日の度に何らかの形で鯛を焼くことが多かったのに。今では一年に数えるほどしかありません。


結婚式場やホテルでの結婚式が当たり前になる前、結婚式は自宅でするものでした。そういう時仕出し屋が活躍したのです。明日は婚礼ともなると徹夜で鯛を焼くような調理場のあわただしさを幼いころ肌で感じ、店中が焼き鯛の香りでいっぱいになる様な香りの記憶が残っています。


もう何年かすると「尾頭付き?なにそれ?」という時代になるのかもしれませんね。