生ビール


今では私ン処のようなお座敷中心の日本料理店で生ビールをお出しすることは当たり前になりましたが、ほんの15-20年前には生ビールを置くことにかなり抵抗がありました。


「お座敷にジョッキなんて野暮ったい」「ジョッキの生ビールは居酒屋さんのもの」「カウンター席ならまだしもお座敷に生ビールじゃぁお酌ができないではないか」


ビールもお酒もお酌をされて飲むもの・・・すでに若い人たちにはなじみがないかもしれません。


味わいの点でも生ビールがそれなりに美味しくなってきてはいたとは思うのですが、「美味しいからラインアップに並べる」「お酒の味を楽しむ」という時代はつい最近のものなのです。お酒はなにより「酔うためのもの」(何度も言っていますが)だったのです。


父の高いハードルがとれて生ビールを置くことを考えたのがたった17年前、きっかけは「琥珀の時間(こはくのとき)」でした。「これなら説得力がある」と思ったのもつかの間、「キリンヨーロッパシリーズ」が出て、内緒でもらえた「ブラウマイスター」このあたりの変遷は日本酒が劇的に美味しくなってきた時期、ワインの認知が飛躍的に延びた時期と重なるような気がします。


日本酒ワイン同様、ビールも素晴らしくいい時代がやってきているのです。