ぬか漬け


先日みたNHKためしてガッテン」のぬか漬けの回は、ぬか床の中の菌と醗酵を明確に示してくれるとても優れた内容でした。乳酸と酪酸菌、産膜酵母の働きを具体的に知ったのは初めてです。私たちはとかく経験地でものを考えますので、ぬか床の酸が増えたら芥子をいれろとか、一日二回はかき混ぜろとか、生ビールをたまに入れてみろとか、昆布、鷹の爪を入れろとか、味が悪くなったら煎り糠と塩を加えてしばらく放置しろとか・・・経験則で知っていても何がどう科学的に作用するかは全く知らない世界のお話でした。



昨日、用事があって車で一時間ほどの処のあるJA(農協)へ出かけてきました。田舎町のマーケットとしてはかなり充実した品揃えではあったのですが、地場野菜を除いては全国どこでもマーケットの品揃えはそうたいして大きな違いはないものと思い込んでいたのです。ところがぶらぶらと陳列棚を眺めて歩いてみると、漬物のコーナーが突出して素晴らしい。水を加えるだけ熟成したぬか床ができる煎り糠が2−3種類、たくわんをつけるためのセット、酒粕漬けのためのセットなどといった自家製の漬物用の様々な品物に加え、昆布や鷹の爪といってこまごまとしたお役立ち備品、さらには炭酸カルシウムをベースにした醸源酵母の商品まであって思わずあれもこれもと買い物籠に入れていました。というのも、夏を迎えて店のぬか床の味がいまひとつ乗らなくなってきていたのです。


店にかえってすぐに醸源酵母をぬか床に加えてみると、翌朝にはあーーら不思議、ぬか床が劇的に美味しく変化していました。これって卵の殻をぬか床に加えるのと同じ働き(もっと劇的)なのですね。ためしてガッテンから察するに、炭酸カルシウムが酪酸菌と産膜酵母の活性を抑え乳酸醗酵を促進したんでしょうか。おそるべしJA。


おばあさんから伝わる知恵が手近にない人はJAの棚を見るべし(ほんとかぁ?)