備忘録として


「生物と無生物のあいだ」福岡伸一  大ベストセラーでなければ、この手の本に手を出すことはありません。福岡さんのインタビューを耳にしたことも一度や二度でなく、その面白さは読む前から充分に予感できるものでした。以前に批判した「新書の素晴らしさはどこにいった」の言葉はこの本には全く当てはまりません。こういう知的な好奇心に満ちた分野こそ新書が担う分野です。素晴らしい。



「まんざら」中野翠  欠かしたことがないつもりでいた中野翠さんのコラム集、欠かしていました。読んでいませんでした2003年分。最近著で「映画のお勧めが一致してきた」と書きましたが、確かにこの5年前では一致していませんでした。見てない映画ばかり。5年前をさかのぼりつつゆったりと楽しめます。



「サクリファイス」近藤史恵 大好きな自転車、珍しくロードレースを題材にしたスポーツモノ。「一瞬の風になれ」「ダイブ」とスポーツモノの大当たりにであうと、そこここで「スポーツモノにはまったら”サクリファイス”をはずしてはならない」の言葉を聞き手に取りました。自転車好きには面白さは半端ではありません。ロードレースの醍醐味をストレートに伝えてくれれる初の小説かも。