朝の万葉集


和歌ほど苦手なものはありません。


どういう意味かさっぱりわからないし、本歌取りとか枕詞とかいうお話になると「あんたの日本人としての素養はどうなのよぉ」と全くお恥ずかしい限りなんであります。せめて百人一首くらいは全部覚えておかなければ・・・と一念発起したこともあったのですが、元来の根気のない性格ゆえに当然のように挫折。以来古典を読んでも和歌の部分はざっと飛ばしてしまうほどの情けなさです。


ところが、ふとしたことで知ったNHK BSの「日めくり万葉集」を見始めると、万葉集のその奥深いこと、繊細緻密なこと、情緒豊かなこと、なんと素晴らしいものかと、日々この番組を見るのが楽しみになりました。


朝の6:55〜7:00までのたった五分間の番組なのですが、一日一首を各界の著名人が選者となって語ります。壇ふみさんの語り口が素晴らしく、映像が美しい。さらに私のように素養のないものにもわかりやすい解説がきちんとなされています。五分TV番組を楽しみにすることなんぞ初めてです。



国際化が叫ばれる今、小学生から英語をしゃべる訓練をするよりも、日本人としてのアイデンティティに目覚めるために古典を理解することの方がはるかに大切なはずなのに、私のように英語も万葉集もからっきし・・・という日本人になってしまっては国際人としては認めてもらえません。


とはいえ、遅まきながら万葉集の素晴らしさに気づかせてくれるような番組に出会えたことが素敵です。