黒皮茸

clementia2007-10-11



苦味や渋味というのは高度な味覚をもって初めて楽しめるものなのだそうです。味の文化が発達していなければ認識できないということなのでしょうね。


天然の黒皮茸は苦味渋味がしっかりした独特の茸で、黒皮茸だけを使って調理してもお客様は引いてしまうかもしれません。とはいえ、食感、味わいともに他にはない茸ですからなんとかものにならないかと試してみたのがこれ。黒皮茸と大徳寺麩の白酢和えです。


黒皮茸は一度茹でこぼして苦味渋味を緩やかにしてから出汁で焚きます。同じく焚き上げた大徳寺麩と一緒に豆腐をベースにした白酢で和え、天に紅葉麩を乗せます。「どうだ!天然茸だ!」という押し出しのある料理ではありませんが、こういう気合をちょっと抜いた風に見える料理も好きです。