合唱コンクール


甲子園の高校野球を知らない人はいませんが、全国合唱コンクールを聴いたことのある方はどのくらいいらっしゃるでしょう?


私の場合、高校野球には全く興味がありませんし、合唱コンクールも歌われる歌がいかにも合唱界でしか理解できない面白くない曲ばかりが披露されて、TVのチャンネルを回すことはまずありませんでした。ところが最近「NHK国学校音楽コンクール」では課題曲の作家に俵万智 重松清 ゴスペラーズを起用して曲がポップでとてもわかりやすくなっていることを知り、今年のNコン(略してこう呼ぶのだそうです)を録画してみたのです。


聴いたのは中学の部と高校の部。


これがもうむちゃくちゃレベルが高くて、学校によっては涙が出るほどの感動をおぼえる名演奏を繰り広げているのです。


なにしろNHKホール(野球なら甲子園)に出られるのは全国でたった11校。選りすぐり中の選りすぐりです。当然野球のように地元以外からスカウトされて運動だけで入学するような生徒がいるわけでなく、場合によっては人数が足りなくて二つの学校の寄せ集めであるケースもあるほどなのです。ほとんどの生徒たちが歌の訓練を長く積んでいるわけでなく、合唱部に入部してから歌を学んでいるのだと思いますが、よくぞここまで訓練してきなぁ・・・と感嘆するほど技術が高い。で、課題曲が決まっているので、私のような合唱素人でも各校の差別化がしやすくて、学校による違いがよくわかり、16小節聴けば入賞クラスか、惜しいクラスかも理解できます。そうなると当然のように応援したい高校もでてくるわけで、気がつくと「金賞は○○だな」「○○はぎりぎりのせんかも」などといっぱしの予想をしつつドキドキしながら眺めています。


特に高校生の部に出場した各校の生徒たちは、訓練を積んだことで生徒たちが間違いなく歌うことの楽しさを充分に理解していて、NHKホールという大舞台ではつらつと歌っていることがよくわかります。まさに10代の青春の若さが溌剌とそこで輝いているのです。これだけでオジサンはウルウルしてしまいます。


金賞銀賞の結果はほぼ私の予想通り、ひとつだけ宮城県第三女子高校が入賞できなかったのが不思議。彼女たちのテクニックに走らない輝くようなパワーにぞっこんだったのに。


音楽を愛するための技術を持ち合わせた彼らの、歌への愛情を爆発させる姿はなんとも美しい。