生姜ご飯

梅雨時は梅や実山椒、新蓮根とともに新生姜の時期でもあります。

生姜は柔らかく、香りにとげとげしさがなくなります。お寿司屋さんのガリもこの時期の生姜を使うのです。知り合いのお寿司屋さんの中には、今の新生姜で一年分のガリの仕込む方がいます。そういう志を持つ方の仕事は、他の仕事でも間違いはありません。

店ではこの時期の新生姜を使った「生姜ご飯」が定番です。千切りにした生姜をさっと湯通しし、水でさらしてからご飯と一緒に炊き込みます。炊き込む土鍋は先日久しぶりに来店してくださった、信楽の中村文夫さんの飯炊き鍋。味わいというよりは香りを楽しむご飯です。

料理場に生姜ご飯の香りが漂うと「もうすぐ夏だ」と、香りが教えてくれます。