穴シャコ

clementia2007-05-28



岡山あたりの瀬戸内で獲れた穴シャコです。


このあたりでは見かけることは全くありません。地元でも漁師が自分たちで食べてしまってオシマイ・・・などというお話を聞いたのですがどんなものなんでしょう。


姿は小ぶりのシャコ、香りが独特でホヤにも似た海の香りがします。


漁師は茹でたてを殻ごと食べてしまうのだそうですが、さすがに料理屋では食べやすいように殻を剥いてお出しします。




蟹や海老をそのままお客様にお出しするか、身を剥いてお出しするかは難しい選択です。私ン処のような店では、ほとんど場合お客様の食べやすさとお席のシチュエーションを優先します。(時に料理人の手間”面倒くさいかどうか”で決まってしまうことがあるますが、それは問題外)


例えば大切な接待とか、婚約を迎えたご両家の顔合わせの席に、蟹や海老の茹でたてがどれほど美味しいからといって、まるごとお出ししては席の雰囲気はまずいことになってしまいますし、おそらくほとんど手をつけてくださらないはず。美味しいものをひたすら食べたいという少人数のお客様であればまるごとお出しすることもないわけではありません。お客様の食べやすさを犠牲にしてもまるごとにインパクトがある・・・たとえば浜名湖産のどうまん蟹のような食材であればまるごとも有りでしょう。シャコや海老の類は皮付きであったとしても箸ではらりとむける程度の処理を施していなければならないのが私のような店のあり方だと思っています。要はお客様個別の心地よさなのでしょうね。