思い込み


同じように思い込みで美味しいと信じてしまっていることもたくさんあります。


先日某有名グルメ俳優が自宅の倉庫にならんだたくさんの電気炊飯器を指差して


「TVCMで新製品の炊飯器を見ると、当社費でさらに美味しく・・・って皆欲しくなっちゃうんだけど、結局あんまり変わんないんだよなぁ」と。


確かに私も経験があります。言われれば美味しくなった様な気もするけど二日目には忘れてしまっている・・・・そんな経験はありませんか?


土鍋で炊くご飯は美味しい、飯ごうで炊くご飯は美味しい・・・と思い込むのも同様です。時にガス釜で二升炊きにしたご飯のほうが美味しく感じることも多くあります。もちろん、店ではご飯専用のお釜(土鍋)を使っていますが、中村文夫さんに土鍋を依頼し、仕上がり、さらに上手に多くけるようになるにはずいぶんと時間がかかりました。土鍋=美味しいは簡単なことではないのですね。


昨日もちらっとTVで見た某所の糠漬け、45年だそうです。5年より45年が美味しいのか?・・・時間の長さで美味しさを推し量るのはただの思い込みです。手をかけて糠床を大事に育てることは大切ですが、長い時間が美味しさに正比例するというのとは違います。料理を紹介するメディアがよく「長い時間をかけた」を美味しさの絶対条件のように持ち上げますが、美味しさのために必要で適正な時間はあっても、ここでも時間と美味しさが正比例すると信じるのは思い込みなのです。