東京売れ

この一〜二年、東京で赤むつ（のどぐろ）が人気なのだそうです。今まで一部の店でしか使われていなかった赤むつを使う店が増え、お客様の注文も増えているのだとか。

推測の域をでないのですが、そのおかげか近頃赤むつの入荷が少ないばかりか値段も１〜２割上がってきたような気がします。東京の高級料理店で使われ始めれば、当然のように高く売れる地域に品物は流れ相場は上がる・・・・割を喰うのは地方です。

食の世界ではブームを作為的に作ることが盛んです。メディアによって作られたブームに客が飛びつき群がる。メディアは次のブーム次のブームととどまるところを知りません。

ラーメン屋が東京で成功するには行列が必須ですし、地方発の「どうしてこの程度のものに人気が出るのだろう？」と不思議に思うようなケーキを芸能人が「メチャウマ」と激賞します。ドーナツはどうやら行列も含めてありがたがる時代になりそうです。

果たして赤むつがその類のものであるかどうかはわかりませんが、地方の地魚の美味しさを大切に培ってきたつもりであったのが、ブームが大好きな輩にひっかき回される・・・・などと思ってしまうのは私のひがみでしょうか。