文七元結


何度も日記に書いてきましたが、志ん朝さんの「文七元結」は私にとって至高の落語です。初めに志ん朝さんだけをひたすら聴き続けて落語を知った私にとっても「文七元結」は別格の存在といって間違いありません。”もう他の人の「文七元結」を聴いてもきっと比べてしまってつまんないだろうな”と勝手に思い込んでいた私には、昨日聴いた立川談春さんの「文七元結」は比べることの無意味さを痛感させてくれる名演でした。素晴らしい内容の噺はどちらがいいとか悪いとかという比較は全く意味を成しません。両方を認めて両方を楽しむべきです。談春さんの「文七元結」にはこの噺を語るための”覚悟”のようなものを感じました。迫力というよりも覚悟です。一人の人間の語りがここまで人に感動を与えることが出来るのです。しかも二人の名演に出会うことが出来ました。立川談春さん、目が話せません。