物の価値

clementia2006-09-01



剥いた伊勢海老、おろした鱧、さい巻き海老です。


鱧はすり身にして裏ごしします。さい巻き海老も頭を取って殻を剥き粗めのすり身にして鱧のすり身と合わせます。昆布だしと本葛、玉子の白身を入れながら柔らかく伸ばして、最後に切りそろえた伊勢海老を混ぜ込んで昆布だしでふんわり焚き上げると、伊勢海老の真蒸の出来上がり、煮物椀のたねになります。


この素材を使って不味いものを作ったらほとんど犯罪です。とはいえ、「なんだちょっと高級なハンペンじゃん」と言われれば、「その通り!」としか言いようがありません。


冷凍のすり身(鱧ではない)と冷凍の海老(さい巻海老ではない)を使っても同じようなものはできますし、海老真蒸として出来上がったものも売っているそうです。



実際こんなものも見つけました。





冷凍焼き茄子です。たぶんナスは中国産でしょう。


解凍して、出しに漬け込む、いえ、漬け込まなくても醤油をかけて削りかつおをパラパラとやれば、居酒屋さんの一品になります。職人は必要ありません。マニュアルさえあればOKです。




伊勢海老の真蒸を含めた一万円のコース料理を「高い!」と思うか、職人の要らない「焼き茄子」300円を「安い!」と思うかはお客様の価値判断の違いです。