災害の生んだ奇跡

clementia2006-06-01



カリフォルニア サンタバーバラ・ワイナリーではジンファンデルという葡萄種で作ったワインがあります。


1981年、雨の少ないカリフォルニアで収穫直前に雨が降り、サンタバーバラのジンファンデルは壊滅的な打撃を受けたのだそうです。葡萄を廃棄しなくてはならないか・・・という時、もしかして、この葡萄で貴腐ワインを造ってみたら・・・と出来上がったのが、ジンファンデル・エッセンスという極甘口赤ワインという珍しいワインです。ハーフボトルにしてわずか600ケースであったといわれています。


そういう奇跡が生んだようなワインですから、毎年できるわけではなく、その後1993年 1999年 2000年 20001年の五回だけ世の中に現れたワインです。


幸いなことに、1999年のジンファンデル・エッセンスは一ケース手に入れることができて、お得意様にとても喜んでいただきました。初めて訪れてくださったワイン通でも有名なさる高名な科学者先生が、酔うに任せて「僕はねぇ、世界でも600ケースしかない甘口の赤ワインを持ってるんだよぉ」とおっしゃいました。


「もしかしてジンファンデル・エッセンスですか?私のところにもありますが。。。」と私。


「なんで浜松くんだりにジンファンデル・エッセンスがあるんだよぉ」と哄笑されながらワイン話に花が咲き、接待が大成功であったとお褒めいただいたことがありました。ジンファンデル・エッセンスのおかげです。



そのジンファンデル・エッセンスの2000年(2001年は糖度が少々薄いようです)が少々、6回目にして最後のヴィンテージといわれる(古木を抜いてしまったそうです)2003年が何本が手に入りました。


達磨正宗昭和54年純米甘口果実香同様、この世からなくなり飲めなくなってしまうワインです。


最後のヴィンテージはたった313ケースだとか。