実山椒

clementia2006-05-31



実山椒は一年に一回だけ仕込み、保存して使います。


茹でること5分ほど、よく晒してから、実だけを枝からはじいていきます。枝は口の中にそのまま残ってしまって邪魔になります。4人で半日かけて実にしてさらに晒し、ちりめんじゃこと焚いたり、有馬煮にして味噌にすり込んだり、様々なところでアクセントになります。


人件費削減、経済性重視の世の中の傾向では、「瓶詰でいいじゃん」「そんな面倒なことに人手をかけるのは無駄」ということになるのでしょうが、私はこの作業を経ないと夏がやってくる気がしません。


仕入れで毎朝お会いするお寿司屋さんは、この時期の新生姜で一年分の「ガリ」の仕込をなさいます。ご夫婦だけでやっていらっしゃるこじんまりした店ですが、決して手抜きをされません。「ガリ」は買ってくるもの・・・・というお寿司屋さんが大勢をしめているなか、こういう方の仕事が不味いわけがありません。


志だけは負けないように。