君はそこじゃぁないかもしれない


毎朝仕入れに出かける魚屋さんに、週一回若い子が手伝いに来ています。調理師学校の頃から休みの日を利用して、早朝から一本でも多くの魚の扱いを勉強したい・・・と、志願して勉強に来ているのです。


初めて彼を見たとき「おはようございます。弁いちの親方ですよね。調理師学校で受講させていただきました」と声をかけてくれました。


今朝、しばらくぶりに彼と声を交わすと、すでにフレンチかイタリアンを目指してすでに就職しているのだそうです。現場に入っても変わらず勉強に来ているという向上心が素晴らしいではありませんか。和食を目指すなら私ン処で引き抜きたいくらいですが、今は某レストランにいるのだそうです。



「○○には食べに行ったことある?」と刺激になる店の名前を聞くと、名前すら聞いたことがないようです。私には今彼のいる店よりも○○のほうが行く末を考えると勉強になるという気がしました。


「じゃぁ、是非行ってみるといいよ」と店の名前と電話番号を書き出し渡しました。「食べてみて感じるところがあればいいな」


彼のように意欲にあふれた人材は、最初に修行するべき店をもっと選ぶべきです。多くは語りませんでしたが、気持ちが通じれば橋渡しをしてあげたいという気持ちがわいてきます。「あなたが師事する師匠はもしかすると別にいるかもしれない」・・・と。