京都の底力
4月も終わりに近づくと、筍は大きく大味になってきます。主に使う岡部町の筍もそろそろお仕舞いかという時に入手できたのが京都の白子筍です。
写真で見るように大きくて大味のように思うとそれが大間違い。しっとり柔らかで、エグミが少なく、味わいは限りなく上品です。こんな筍食べたことありません。
この時期は京都で食事をしたことがありませんでしたし、希少品ですから手に入れることもできませんでした。大昔の修行時代に、おやっさん(親方)が一度だけ「筍のお刺身」にして使ったのを遠くから眺めたことがあるだけだったのですが、これはまさに醤油だけ、塩だけで筍そのものを食べたい感じ。「素材がよければお刺身」というのに否定的な私ですが、この筍は本当に素材そのものの美味しさを食べてみたいと思わせる食材なのです。
筍は土から出てしまうと味の上品さはなくなってくるものですが、この白子筍は土の中で大きくなるように育てられているのだそうです。
こういう食材があるというのが京都の底力です。
値段はお安くなってきた地物の筍の10倍!・・・でも食べる価値ありです。