西京味噌


鰆や甘鯛などの味噌漬には欠かせないのが京都の西京味噌です。


他の味噌では代用できない独特の味わいだと思っているのですが、田舎町では西京味噌漬を献立に載せる料理人がほとんどいないのか、食材屋さんで味噌漬用の西京粒味噌を扱う店があまりありませんでした。仕方なく以前は30kgの大きな樽で京都から取り寄せていました。


それがこの2-3年やっとこの近辺でも少量なら手に入るようになったのですが、私のほしいレベルの味噌ではありませんので、担当者に


「もうひとつ上のクラスの西京味噌、取り寄せてくれない」とお願いすると。


「ある程度の分量がないと送ってくれないし、店で置いても使ってくれる人がいないんですよねぇ」・・・・と。


いつもmailで親しくお話をさせていただいているフランス ブルゴーニュ「媚竈 Bissoh」のご主人と、最近「西京味噌のいいものを手に入れたいんですが。。。」と志のあるお話をしているというのに、本場のはずの日本でいい西京味噌を手に入れようとしていないと言う現実。


もしかすると、西京漬けなんて献立は古臭いと思われているのか、調味料にいいものを・・・なんて考えないのか、私の知らないもっといいルートを知っていらっしゃるのか。


田舎町では「売れないから置かない」といういい食材がたくさんあります。「客は理解できないから使わない」「高いからまがいモンで済ませる」という風になってしまっては、ブルゴーニュの地で孤軍奮闘なさっているシェフに顔向けできません。