アンキモ


以前にお話をしたことがあるのですが、アンキモといえば冬の食材と思われがちです。居酒屋さんなどのメニューには必ず「アンキモ」とでていますね。でも私たちの間では「アンキモは梅の頃」と言われ、冬から春にかけての品物なのです。


この辺りでは上質な肝をもったアンコウが獲れることがあまりありませんので、アンキモは山形、青森から入荷します。北国の梅の頃にはこの辺りでは桜が咲く今ごろなのでしょうか。この2-3週間の間に何回か上質なアンキモが入ってきました。


召し上がったお客様が「あの内臓みたいなヤツなに?美味しいねぇ」とおっしゃってくださいます。


「あれが私ン処で使わせていただくアンキモです。冬じゃないんですよぉ」と。


「生臭くないし、固くないし、滑らかで。。。。これまで食べたのは何?」


実はお手頃で食べられるアンキモは輸入ものなのですね。当然味も鮮度も全く別モノ。値段は恐ろしいほど違います。



お客様に「ああ、これがホントの○○の味なんだぁ」とおっしゃっていただくのは板前にとって格別な瞬間です。私の技術の力ではなくて素材の力なんですけどね。