台風の仕入れ


夏から秋にかけて台風がやってくる時期には仕入れが難しくなります。


今回の大型台風もそうですが、近辺に台風がやってくる4-5日くらい前から海が荒れ始め、魚類の入荷は少なくなり始めます。沖縄の南辺りにいるときにはすでに活かし物の上質な魚は品薄になりますが、市場でも台風を見越して魚を水槽に囲っていますので、極端になくなってしまうわけではありません。


困るのは台風が過ぎ去ったころ。囲った魚も出尽くし、台風は過ぎても余波で海は荒れたまま、一週間も漁師さんたちが海に出られないと、魚屋には養殖ものと送りもの(遠くの市場からやってくるもの)しかなくなってしまいます。水槽で活き続ける魚は底もの(平目や鰈など)だけで、鯛や鱸の類は生き延びません。


さらには野菜の値段も上がり始め、交通網まで打撃を受けた場合には完全にアウトです。


当然市場の品薄を見越して仕入れをするのですが、逆に台風がそれていったり、あっという間に通り過ぎていったりすると、仕入れすぎた品物に困ってしまう事もあって、全く予測が難しいのです。こういうときこそ職人の経験値の見せ所・・・・と言いたいところなのですが、お客さん様には涼しい顔をしていても気持はいつもアタフタと慌ててばかりいるのです。